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電球を手で作る職人の世界

皆さんは、電球が、人の手で作られているのをご存じでしょうか?しかも、医療用、精密機器用の主力製品に、高精度、精巧さで、手作り電球が使われています。


眼科用機器には、診療時に電球の傷か、人の目の傷かを間違わないために職人が吹いたきれいなガラスが使われます。いかんせん機械で吹いたガラスではガラスに泡や、みゃくりが残ってしまいます。


日本国内のみならず、世界で残り少なくなった手作り電球の製造方法をご覧頂き、電球の製造方法のご理解とともに、職人の技の世界を感じて頂ければ幸いです


第1工程 継線(けいせん)

フィラメントをジュメット線という金属に取り付けます。髪の毛ほどの細さのフィラメントをジュメット線を折り曲げて線と線の間に、挟み込みます。挟み込みにより、フィラメントが振動で、はずれなく取り付けられます。


第2工程 フォーミング

水素噴気器の中で点灯させながら、フィラメントの不純物を取り、フィラメントの形状を整えます。









第3工程 封止(ふうじ)

ガラスを焼く工程が始まります。細長いガラス管を焼いて、水飴のようにのばして、電球の球の前段階となるカプセルを作ります。


第3工程 封止(ふうじ)②

できあがったカプセル状のガラスの端面を職人がふいて、半球状のガラス管を作ります。ガラス管を丸めた反対側の端面を焼いて、ガラス管を切ります。


第3工程 封止(ふうじ)③

切り取った半球状のガラス管の中に、フィラメントが継線されたジュメット線を入れ、ガラスを焼き、封じ込めてしまいます。密閉されたガラス管を、熱膨張によって、穴を開け、そこに空気をぬく排気管をガラス細工のようにくっつけます。排気管の穴が閉じないように、しかも、まわりがきちんと閉じられているように焼きます。


第4工程 ゲッター(薬品挿入)

電球の中の微量残る不純物を取り除くために、ゲッターを挿入します。








第5工程 排気

ガラス内を真空にし、ガラス内に不活性ガスを封入します。








第6工程 仕上げ&測定

電球を石膏で固めて、口金に固定します。最終的には、投影機で一個一個測定し、フィラメント位置を0.1mmの公差に合わせるものもあります。













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